マニラ娘純情。Manila Photo Virgin. "好きですマニラ manila love..." White edition

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マニラ・マラテ『酒処 大虎 まにら』






何年ぶりだろう?  開店間もない頃のこの店は、奇麗であった。
そして奇麗であり続けるだろう? の予感もあった。

焼き台も、フライヤーも、調味料や食器やカウンターも、奇麗であり続ける方が良い。

しかしそれは、他方では「繁盛してない」店の代名詞とも言えます。

当時は、やきとりは小さく、小振りで居て日本で食べるのと、そう料金もかわらなかったのです。

「近所のKTVの従業員がメニューに無いものを、テイクアウトで注文が入るんです。」とハニカミながら言って造っていた、初代店主のカツ丼を思い出します。




『この店は、日本では保健所の許可が下りないだろう?』 当時、思ったことです。


店舗空間上、客席との塩梅を考えると、厨房のこの狭さは、この店のギリギリの結果です。
調理人が二人厨房の中で交差することさえ出来ない狭さです。

日本の保健所や衛生局の設備指導とはよく出来たもので、調理をしていて擦れて埃が落ちることや、作業安全や衛生管理を考えると、最低必要な調理器具や什器の配置。衛生管理上の設備を求めています。経験上必要な空間を求めているのです。

気兼ねなく腕を発揮しようとすれば、これだけの設備と空間、動線は必要ですよ。ということです。


おそらくこの厨房の狭さは、制約を受けて気兼ねなく腕を振るうことが出来ないでしょう。言い換えれば、持ちえる店主や料理人の技量や創作に制限を与えるものです。今の店主の潜在する技量や創作力は、宝の持ち腐れに成る可能性さえ在ります。

だだっ広ければそれは良いというものではなく、調理人が最小の動線で、自由に創作調理に物理的制約が加わらない大きさ。これが丁度良い大きさです。




「汚くなった。良いですね。」



なんて失礼な言葉なのでしょう! 喧嘩を売っているわけではないのですから、もう少しモノの言い様もあるのですが、雑然と置かれたものや、使い込まれた調理器具などが、見ている客である自分を、少し嬉しくさせてくれまして、ついそのな言葉がつい出てしまいました。繁盛の証しであります。

小汚いことが繁盛の証しなのではなく、何代かの店主の手を経ての、今在るこの店の汚れ方=痛み方。

以前の店主から引き継いで以降、手を掛けて清潔につとめ磨かれているだろうことが窺えます。


まな板の上に、三本の包丁が研がれて置いてありました。
その包丁を見ただけでも、この店の現店主と従業員の心意気が伝わって来ます。

野菜果物、肉、魚………最低でも三本は必要です。匂い移りした調理など嫌なものですし、その包丁の全てが研がれていて整然と並べられて居るというのは、伝わり来るものがあります。




前置きが長くなりました。その狭窄調理空間から出て来る美味いものとは、何だろう? 興味がわきます。







鶏レバー串焼き





店主とは偶然に店外で、既に前日に初対面を果たしていました。



「そのうち店に伺いますね」



そう言った翌日には、それが叶うとは、思っても居ませんでした。



「美味い店を出してくれる店が在るよ」と、案内してくれた邦人の口から、「レバー」が旨いと聞いていたので、異なことを言うと思っていたのですが、それが昨夜会った店主の店であるとは、店の前に着くまで解らなかったのです。

そして「旨いレバー」の意味が、出て来た鶏レバーの串焼きを食して、すぐに理解できました。

ありがちな鶏レバーの臭さや、触感の堅さが無い一方で、ふくやかな弾力と旨味が在る「鶏レバーの串焼き」

詳細は企業秘密もあるようなので、書くことは差し控え、食材を自ら肉屋に赴いて選別して抜き取り、仕入れているとのことです。
これは出来そうで実際はなかなか出来ないものです。

日本でも肉屋に「◯◯何キロ」と注文する調理人が多いというのに、品質管理も商品管理も難しいフィリピンでならば、店頭に列べてある素材を目利きするのは余計に手間のかかることです。………なのですが、そうもしなければ美味いものも、良い素材も手に入らないということは、察することは出来ます。

このこだわりが、この店の旨い料理が提供される秘密の一端です。



「まるで魚の白子焼きですね」



火の通りは、焼き過ぎず、生々しからず。絡めた醤油ダレとの相性がいいのです。

目から鱗。


聞けば店主は、サラリーマン時代に転勤で、日本全国方々に住んでいたと言います。それぞれの土地柄で、旨いと言われるものを食べ歩いたのでしょう?
食は食体験ですから、調理人としての歴史や経験よりも、美味いものを知っていることと、美味いものを感じとれる触感、舌の方が重要です。
どこどこの料亭で何年修行したのかよりも、ず〜と重要だ。そう思っています。



それにも増してそれ以前に、人間が味覚が衰え、それに変わる臭覚や視覚、経験や知恵が補い出す、二十歳を境とした、二十歳以前の食体験が極めて重要です。

それを店主は、子どもの頃から育った築地で、味覚が育まれて来たのだろう? などと勝手に推察していました。



「魚料理も食べてみたいですね」



店主の築地で育った頃の思い出とともに、フィリピンのラプラプの話にまで及びました。

売り切れていた魚料理は、次回の楽しみとして………次いで鶏の唐揚げマヨネーズ風味を注文しました。


鶏の唐揚げにマヨネーズベースのソースが、お好み焼き風に掛けたものを想像していたのですが、出て来たものは、揚げた唐揚げにマヨネーズソースをからめたもの。コロモや鶏表面がカラッとしながら、マヨネーズの油分とほどよい揚げ加減の肉汁が口中でからみます。美味い。


この二品だけでも、焼酎小瓶一本が楽しめますね。

『酒処 大虎 まにら』………私には、マニラ渡航の度に訪れたい一軒になりそうです。




「美味かった」「楽しかった」 ごちそうさまでした。










大虎従業員。左の女性のキビキビの動きが見ていて気持ちいい。






マニラ・マラテ『酒処 大虎 まにら』位置図














コメント
この記事へのコメント
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2011/05/23(月) 21:37 | | #[ 編集]
Re: おねがい

> もしお許しを頂けるのであれば………。

返信が遅くなりまして、申し訳ございません。
フィリピン渡航中は、しばしばコメント通知がメールで届かない場合があるのです。
そんな場合は、失礼とは思いますが、時期を逸した場合を除いて、返信させていただいてます。


お話の件、了解しました。
条件は、ありませんので御随にどうぞ! 応援してあげてください。

という私も、私の偽物やストーカーと呼ばれる輩のお陰で、極最近この店の店主殿とお会いできたわけです。
記事その他でご指摘御意見ございましたら、またコメントください。
ありがとうございました。


2011/05/23(月) 04:58 | URL | SANTA #-[ 編集]
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2011/05/18(水) 15:18 | | #[ 編集]
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